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井戸掘削機の種類と仕組み|さく井工事で使われる機械・機材を解説

さく井工事ガイド編集部

さく井工事・井戸掘削では、地盤に応じた専用の掘削機械が使われています。発注者として「どんな機械で掘るのか」を理解しておくと、業者との打ち合わせや見積もり確認がよりスムーズになります。本記事では、井戸掘削機(リグ)・ビット・ケーシング機材など主要機材の種類と特徴、工法別の機械選定、レンタルの現実まで解説します。

目次

  • さく井工事で使われる主な機械の種類
  • 掘削ビット|地盤に合わせた選定
  • ケーシング・スクリーン設置機材
  • 補助機材・周辺設備
  • 見積もりに機材費はどう含まれるか
  • 井戸掘削機のレンタルについて
  • まとめ

さく井工事で使われる主な機械の種類

井戸掘削の中心となる機械は**掘削リグ(rig)**と呼ばれます。リグとは掘削装置全体の総称で、工法によって種類が異なります。イメージとしては、大型トラックの荷台に油圧式の掘削アームと回転装置を搭載したもので、全高は5〜10m程度になります。現場には掘削リグのほか、泥水タンクやコンプレッサーなどの補助機材を載せたトラックが複数台乗り入れるため、10〜20m四方程度の作業スペースと資材置き場が必要になります。はじめて工事の現場を見る方は「思ったより大きな機械が来た」と感じることが多く、事前にアクセス経路や近隣への騒音・振動についても業者に確認しておくと安心です。

ロータリーリグ

ロータリー工法に使う掘削機械です。ビットを回転させながら地盤を削り、泥水を循環させて切粉を排出します。砂・粘土・軟岩など幅広い地質に対応でき、さく井工事で最もよく使われます。

  • 特徴:掘削スピードが速く、深度100m以上にも対応
  • 機体:トラック搭載型(移動式)が主流

パーカッションリグ

パーカッション工法に使う掘削機械です。重いビットを繰り返し落下させて岩盤を砕きます。硬い岩盤・礫層に強く、ロータリーが困難な地質で活躍します。

  • 特徴:掘削スピードはロータリーより遅いが硬地盤に対応
  • 機体:比較的コンパクトな機種もあり、狭い現場でも使用可能

エアハンマーリグ

圧縮空気でハンマービットを高速打撃する工法(DTH工法)に使います。硬岩への掘削速度がパーカッションより速く、深井戸の岩盤区間で多用されます。

ジェッティングリグ

高圧水流で地盤を崩しながら掘削する工法に使います。機械が小型軽量で狭い場所でも使用可能ですが、軟弱地盤・砂層に限定されます。

工法主な機械得意な地質
ロータリー工法ロータリーリグ砂・粘土・軟岩
パーカッション工法パーカッションリグ硬岩・礫層
エアハンマー工法エアハンマーリグ硬岩(高速対応)
ジェッティング工法ジェッティングリグ軟弱地盤・砂層

各工法の詳細はさく井工事の工法一覧をご覧ください。


掘削ビット|地盤に合わせた選定

ビットはリグの先端に取り付ける掘削刃です。地質によって形状・材質を使い分けます。

ビットの種類特徴向いている地質
トリコーンビット(三つ葉型)回転しながら地盤を破砕。汎用性が高い砂・粘土・軟岩
PDCビットポリクリスタルダイヤモンド製カッターで高速掘削中硬岩・堆積岩
DTHハンマービットエアハンマーに取り付ける打撃型ビット硬岩・花崗岩
バケットビット土砂をすくい取る形状軟弱地盤・砂礫層

ビットの選定を誤ると掘削効率が大幅に落ちるため、地質調査の結果をもとに適切なものを選ぶことが重要です。ビットは消耗品であり、深度・地質によって複数本を交換しながら使用します。


ケーシング・スクリーン設置機材

掘削が完了したら、井戸の骨格となるケーシング管とスクリーンを設置します。

ケーシングハンマー・バイブロハンマー

ケーシング管(鋼管)を地中に圧入・打ち込む際に使う機械です。バイブロハンマーは振動を与えながらケーシングを押し込みます。

クレーン・ウインチ設備

重量のあるケーシング管やスクリーンを吊り下ろす際に使用します。深井戸では数トンに及ぶ重量物を扱うため、適切な揚重能力が求められます。


補助機材・周辺設備

泥水プラント(ロータリー工法)

ロータリー工法では、掘削中に泥水を循環させて孔壁を安定させ、切粉を排出します。泥水を管理するタンク・ポンプ・撹拌機などのプラント設備が現場に設置されます。

コンプレッサー(エアハンマー工法)

エアハンマー工法では大容量の空気圧縮機(コンプレッサー)が不可欠です。硬岩を高速で破砕するために大量の圧縮空気を連続供給します。

揚水試験ポンプ

掘削完了後の揚水試験で使用します。水量・水位の変化を計測し、井戸の性能を確認します。

水質検査機器

現場で初期的な水質確認を行う際に使用します。pH・電気伝導度・濁度などを測定します。詳細な水質検査は専門機関に依頼します。


見積もりに機材費はどう含まれるか

さく井工事の見積もりを確認するとき、「機械代は別途かかるのか」と疑問を持つ方は少なくありません。一般的に、専門業者が自社保有の機械で施工する場合、リグの稼働費・燃料費・オペレーター人件費はすべて工事費の中に含まれています。明細上は「掘削工事費」「機械損料」「技術者費」などの項目として計上されることが多く、機材ごとに個別に請求されるケースはまれです。

ただし、以下の点は事前に確認することをおすすめします。

確認ポイント内容
補助機材の扱い泥水プラント・コンプレッサーなど補助設備の費用が含まれているか
地質変化時の追加費用想定外の岩盤や地層変化で工法変更・ビット交換が必要になった場合の費用負担ルール
現場条件による機材費増減狭小地・傾斜地など特殊条件では大型機械の搬入に別途費用がかかることがある
揚水試験・水質検査の範囲掘削後の試験費用が工事費に含まれるか、別見積もりかを確認する

見積書を受け取ったら「この金額に何が含まれているか」を業者に一項目ずつ確認することが、後のトラブル防止につながります。


井戸掘削機のレンタルについて

「機械をレンタルして自分で掘れないか」と考える方もいますが、現実的には難しいケースがほとんどです。

レンタル機械の現状

ジェッティングリグや小型のロータリーリグは一部のリース会社で取り扱いがあります。ただし、機械を借りられたとしても以下の課題があります。

課題内容
操作技術安全な掘削には熟練した操作技術が必要
地質判断掘削中の地層変化をリアルタイムで判断する専門知識が必要
建設業許可500万円以上の工事の施工には建設業許可(さく井工事業)が必要
安全管理地盤崩壊・機械転倒などの重大事故リスクがある

小規模の浅井戸(数m程度)であれば人力や小型機械での掘削事例もありますが、実用的な深さ(30m以上)の井戸掘削は専門業者への依頼が現実的です。地域の専門業者はこちらから探すことができます。


まとめ

  • 井戸掘削機(リグ)は工法によってロータリー・パーカッション・エアハンマー・ジェッティングの4種類に大別される
  • ビットは地質に合わせて選定する消耗品で、トリコーン・PDC・DTHハンマー・バケットなどの種類がある
  • ロータリー工法では泥水プラント、エアハンマー工法ではコンプレッサーなどの補助設備が現場に必要
  • リグは全高5〜10mの大型機械で、現場には複数台のトラックが乗り入れる。事前にアクセス経路・作業スペース・近隣への騒音振動を業者に確認しておくと安心
  • 専門業者による施工では機材費は工事費に含まれるのが一般的だが、補助設備の扱いや地質変化時の追加費用ルールは事前に確認することが重要
  • 掘削機のレンタルは一部で可能だが、操作には専門技術が必要で深井戸の素人施工は現実的ではない
  • 実用的な深さの井戸掘削は、建設業許可(さく井工事業)を持つ専門業者への依頼が適切