02

Percussion Drilling

岩盤向き伝統的硬地盤

パーカッション工法

重いビットをケーブルで繰り返し落下させ打撃力で岩盤を砕く、歴史ある掘削工法(ケーブルツール工法)です。硬岩・礫層など難地盤での実績が豊富で、200m超の超深井戸にも対応できます。

適応深度

30〜200m

費用目安

100〜180万円

適した地盤

礫・硬岩

標準工期

1〜4週間

0m 掘削対応深度 200m
01 / Mechanism

掘削の仕組み

1

クレーン状の機械(ケーブルツールリグ)の先端からワイヤーロープでつないだ重い鋼製ビット(チゼル)を孔に吊るし、シーソー機構で繰り返し引き上げ・落下させます。

2

落下時の衝撃エネルギーで岩盤・礫を砕きます。1回あたりの打撃は数百kgの重量物が数十cmの高さから落下するもので、硬岩に対して高い破砕力を発揮します。

3

孔内に水を加えてスラリー状にし、バイラー(底弁付きのパイプ)で定期的に掘削くずをすくい上げて地表に排出します。この「打つ・すくう」のサイクルを繰り返して掘進します。

4

泥水を使わないため孔壁への化学的ダメージがなく、帯水層の目詰まりが起きにくいという特徴があります。ケーシングは掘進しながら順次打設・沈設します。

02 / Evaluation

メリット・デメリット

MERIT

硬岩・礫層での確実な掘削

花崗岩・玄武岩・石英閃緑岩などの極めて硬い岩盤や大礫が続く地盤でも着実に掘り進める、数少ない工法の一つです。

帯水層の目詰まりが少ない

泥水を使用しないため、帯水層の細孔にベントナイトが詰まらず、完成後の揚水量が設計値に近い数値を長期維持できます。

設備がシンプルで搬入しやすい

リグ本体・ワイヤー・ビットの構成で大型の泥水設備が不要。山間部・傾斜地など重機搬入が困難な場所でも軽量機材で対応できます。

超深度への対応実績

200m超の超深井戸でも施工実績があり、他工法では到達困難な深部帯水層へのアクセスが可能です。

水質を汚染しにくい

化学薬品を使わないため飲用井戸や食品・医療用途の水源として水質確保しやすく、水質検査をクリアしやすい特性があります。

DEMERIT

掘削速度が遅い

「打撃→くず排出」のサイクルを繰り返すため、ロータリーやエアハンマーと比べて1日あたりの掘進距離が短く、工期が長くなります。

振動・騒音が大きい

重量物の繰り返し打撃により振動と騒音が発生します。近隣住宅への配慮が必要で、施工時間帯の制限を受けることがあります。

砂質・軟弱地盤には不適

砂や軟らかい粘土が多い地盤では孔壁が崩れやすく、ロータリーや水洗い工法の方が有利です。

施工業者が限られる

ケーブルツール機械を保有・運用できる業者は近年少なくなっており、対応可能な業者を探すのに時間がかかる場合があります。

03 / Use Cases

向いている状況

花崗岩・安山岩など非常に硬い岩盤が続く山岳・丘陵地域での深井戸

大礫・玉石が混在し、ロータリービットが損傷しやすい河川扇状地の地盤

200m超の超深井戸が必要な場合(農業用の深層地下水取水など)

泥水使用を避けたい飲用水・食品用途で帯水層の水質を最優先にしたい場合

重機が入れない急傾斜地・林道沿いの現場

地熱調査など地質サンプルを精密に採取したいボーリング目的

04 / Cost

費用の内訳

掘削工事費(打撃削孔) 50%

工期が長くなるため人件費・機械稼働費が高め。深度1mあたり1.5〜4万円。

ケーシング・スクリーン材料費 18%

深度が深いほど材料費が増加。200m超では大きなコスト要因になる。

グラベルパック材料費 7%

帯水層保護用の特殊砂利。品質確保に必要なコスト。

ポンプ・電気設備 15%

深井戸用の高揚程ポンプは単価が高め。制御盤・配線工事費を含む。

調査・検査・諸経費 10%

地質調査・揚水試験・水質検査費用。許可申請代行費含む。

※比率は目安。地盤条件・深度・地域により変動します。

05 / Process

施工の流れ

01

地質調査・工法選定

地質柱状図や近隣の掘削記録から岩盤の硬さ・礫の有無を確認し、パーカッション工法の適用を判断します。

02

ケーブルツールリグの搬入・組立

リグ本体(クレーン状機械)・ワイヤードラム・各種ビットを搬入し、安定した掘削台座を設置します。

03

表層ケーシングの設置

地表付近の軟弱層・風化帯を保護するため、先行して大口径のケーシングを打設または挿入します。

04

打撃掘削(くず排出を繰り返す)

ビットを繰り返し落下させて破砕。一定深度ごとにバイラーでスラリーを回収します。地層変化に応じてビット形状を交換します。

05

中間ケーシングの打設

所定深度に達したらケーシングを追加挿入し、孔壁を保護しながら次の深度区間を掘進します。

06

帯水層の確認

孔内水位の上昇・水色の変化・揚水試験で帯水層の位置と水量を確認します。必要に応じて深度を延長します。

07

スクリーン・グラベルパック

帯水層部分にスクリーンを設置し、目詰まり防止のグラベル(砂利)を充填します。

08

揚水試験・水質検査

定量揚水試験で水位降下量と回復速度を測定。水質検査を専門機関に依頼し、用途基準への適合を確認します。

09

ポンプ・配管設置

水中ポンプ・揚水管・制御盤を設置。配管工事完了後、水質検査書とともに引き渡します。

06 / FAQ

よくある質問

Q パーカッション工法はどんな地域で多く使われますか?
A

花崗岩や安山岩が露出している関東山地・中部山岳・九州の火山岩地帯や、河川扇状地の大礫層が続く地域で多く採用されます。地質調査機関や地元さく井業者に相談すると、地域の地質に適した工法を提案してもらえます。

Q ロータリー工法より費用が高いのはなぜですか?
A

掘削速度が遅いため工期が長くなり、人件費・機械稼働日数が増えます。また、ケーブルツール機械の保有台数が少なく、機材稼働費が高めになる傾向があります。ただし硬岩では「ロータリーでは掘れないが費用が安い工法」を選ぶより、確実に掘れるパーカッション工法の方が結果的にコストを抑えられることがあります。

Q 施工中の騒音・振動対策はどうしたら良いですか?
A

重量物の打撃音が主な騒音源です。防音シート・遮音パネルの設置が有効で、振動は防振ゴムマットを機械下に敷くことで軽減できます。近隣への事前説明と、昼間時間帯に限定した施工スケジュールを業者に依頼することをお勧めします。

Q 泥水を使わない分、孔内が安定するか心配です。
A

孔内に水(清水)を張ることで水圧が孔壁を押さえ、崩落を防ぎます。岩盤では泥水がなくても地層自体が自立するため、軟弱層以外ではケーシングなしでも安定します。軟弱層区間は先行ケーシングで保護します。

Q ケーブルツール業者はどうやって探せばよいですか?
A

全国さく井工事業者協会や都道府県の水道局・農業農村整備部局の登録業者名簿を参照するか、当サイトの業者検索をご利用ください。パーカッション工法対応の旨を明記して問い合わせると絞り込めます。

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