許可および必要な手続き
井戸を掘る際は、用途・地域によってさまざまな許可・届出が必要になります。
工事着手前に必要な手続きを確認し、法令に沿った施工を行いましょう。
ご注意:必要な許可・届出の内容は用途・地域・掘削深度によって異なります。 このページは一般的な情報提供を目的としており、具体的な手続きについては必ず各自治体や専門家にご確認ください。
水道法に基づく届出
生活用水として使用する井戸(専用水道・簡易専用水道に該当する場合)は、水道法の適用を受け、 都道府県または市区町村への届出が必要になる場合があります。
- ▶ 専用水道:101人以上または1日最大給水量が20m³超の場合、都道府県知事への設置認可が必要。
- ▶ 簡易専用水道:受水槽の有効容量が10m³超の場合、設置者は毎年定期検査を受ける義務がある。
- ▶ 小規模専用水道:専用水道に該当しない場合でも、都道府県の条例で届出が義務付けられていることがある。
地下水採取に関する条例
地盤沈下や地下水位の低下を防ぐため、特定の地域では地下水の採取に関する条例が制定されています。 工業用・大量採取を目的とする井戸を掘る場合は、都道府県や市区町村への事前申請・許可取得が必要です。
- ▶ 「工業用水法」「建築物用地下水の採取の規制に関する法律(ビル用水法)」など国の法律も存在します。
- ▶ 対象となる揚水機の吐出口径・採取量の基準は地域によって異なります。
- ▶ 家庭用の少量採取は多くの地域で規制対象外ですが、事前に自治体への確認を推奨します。
建築・開発関連の手続き
大規模な掘削工事や、一定規模の設備を地上に設置する場合は、建築基準法上の確認申請が必要になることがあります。 また、農地での井戸工事には農地法の手続きが伴う場合があります。
- ▶ ポンプ小屋など付属構築物を建てる場合は、建築確認申請が必要なことがある。
- ▶ 農地に井戸を設置する場合は、農地転用許可(農地法第 4・5 条)が必要になる場合がある。
- ▶ 開発許可区域内では、開発許可を受けてから工事に着手する必要がある。
自治体独自の届出・補助金
市区町村によっては、井戸の新設・廃止に際して独自の届出を義務付けていたり、 防災用井戸として整備する場合に補助金制度を設けていたりする場合があります。
- ▶ 自治体によっては「さく井届出書」などの提出を求めている場合がある。
- ▶ 防災・避難所用井戸の整備費用に補助を出している自治体もある。
- ▶ 井戸を廃止(埋め戻し)する際にも届出が必要な自治体がある。
水質検査
飲料水として使用する場合、工事完了後に水質検査を受けることが法令または条例で義務付けられている場合があります。 水道水質基準に適合しているかを確認し、安全な水を使用するために重要な工程です。
- ▶ 飲料水として使用する場合は、水道法に基づく水質基準(51 項目)への適合確認を推奨。
- ▶ 検査は保健所や指定検査機関に依頼でき、費用は数千円〜数万円程度。
- ▶ 農業用・工業用であっても、定期的な水質確認は安全管理の観点から重要です。
まとめ:手続きは業者と一緒に確認を
必要な手続きの内容は、用途・掘削深度・地域の条例によってさまざまです。 信頼できる施工業者は法令や地域ルールを熟知しており、許可申請のサポートを行っているケースも多くあります。 まずは無料相談を活用して、手続きについても業者に相談してみましょう。
無料でお問い合わせする主要自治体の手続き情報
地下水採取に関する届出・許可の内容は自治体によって大きく異なります。 以下は主要都市の概要です。詳細は必ず各自治体の公式ページでご確認ください。
東京都(奥多摩・島しょを除く全域)
根拠法令・条例
- 工業用水法
- ビル用水法
- 東京都環境確保条例
申請先
各区市町村の環境担当課
主な必要書類
- ▶地下水揚水施設設置・変更届出書(第36号様式)
- ▶地下水揚水施設既設届出書(第3号様式)
- ▶廃止報告書
- ▶揚水量報告書(第18号様式)
備考・注意事項
動力を用いる揚水施設は設置前に届出が必要。吐出口断面積6cm²以下は揚水量制限(平均10m³/日以下)。年1回の揚水量報告義務あり。工業用水法・ビル用水法の指定地域では別途「許可」が必要。
大阪市
根拠法令・条例
- 工業用水法
- ビル用水法
申請先
大阪市環境局環境管理部環境管理課水環境保全グループ(ATCビル)
主な必要書類
- ▶井戸使用許可申請書
- ▶井戸変更許可申請書
- ▶氏名等変更届出書
- ▶許可承継届出書
- ▶許可井戸廃止届出書
- ▶井戸使用状況報告書
- ▶地下水採取量報告書
備考・注意事項
吐出口断面積6cm²超かつ動力を用いるものが規制対象。平成27年4月以降、大阪市内の工業用水法事務は大阪市が所管。帯水層蓄熱型案件は着工30日前までに事前協議が必要。
大阪府(市町村部)
根拠法令・条例
- 大阪府生活環境の保全等に関する条例
申請先
大阪府環境農林水産部環境管理室事業所指導課(咲洲庁舎21階)
主な必要書類
- ▶地下水採取届出書
- ▶地下水採取量報告書
備考・注意事項
規制区域は大阪府公式サイトで確認要。枚方市・東大阪市・大東市・摂津市・島本町は独自条例あり。
名古屋市
根拠法令・条例
- 名古屋市環境保全条例
申請先
各区公害対策課(電話相談:052-972-2675)
主な必要書類
- ▶地下掘削工事施工届出書
- ▶井戸設備設置届出書
- ▶井戸設備変更届出書
備考・注意事項
着工前に届出が必要。電子申請サービスに対応(災害応急用井戸を除く)。年間揚水量報告は毎年度終了後4月30日までに提出。
愛知県(名古屋市以外)
根拠法令・条例
- 工業用水法(尾張西部11市町村)
- 県民の生活環境の保全等に関する条例(19市町村)
申請先
各地域の環境管理事務所(東三河総局・尾張県民事務所・海部県民事務所等)
主な必要書類
- ▶揚水設備変更届出書
- ▶廃止届出書
- ▶水量測定器設置報告書
- ▶地下水揚水量報告書(3部作成)
備考・注意事項
適用される法令は地域(市町村)によって異なる。一宮市ほか尾張西部11市町村は工業用水法の指定地域。
横浜市
根拠法令・条例
- 横浜市生活環境の保全等に関する条例
- 工業用水法(一部地域)
申請先
みどり環境局水・土壌環境課(TEL:045-671-2494)
主な必要書類
- ▶地下水採取許可申請書(第27号様式)
- ▶変更許可申請書(第28号様式)
- ▶廃止届出書(第31号様式)
- ▶小規模揚水施設設置届出書(細則第32号様式)
備考・注意事項
吐出口断面積6cm²超:許可対象 / 6cm²以下:届出対象。井戸掘削開始の30日前までに申請・届出が必要。採取開始後は14日以内に届出。
神奈川県(横浜市・川崎市以外)
根拠法令・条例
- 神奈川県生活環境の保全等に関する条例(平塚市・茅ヶ崎市・厚木市一部・海老名市・寒川町)
申請先
各市町村の環境保全課または県政総合センター環境部
主な必要書類
- ▶地下水採取届出書
備考・注意事項
規制地域は限定的。工業用水法は横浜市・川崎市が各市で所管。
埼玉県(さいたま市ほか)
根拠法令・条例
- 埼玉県生活環境保全条例(第85〜103条)
- 工業用水法
- ビル用水法
申請先
各地域の環境管理事務所(中央・西部・東松山・北部・越谷・東部)/権限移譲市(さいたま市・川口市・草加市・戸田市・八潮市)
主な必要書類
- ▶地下水採取届出書
- ▶揚水施設の構造図
- ▶設置計画書
- ▶使用計画書(計4様式・2部提出)
備考・注意事項
第1種指定地域(6cm²超:知事許可 / 6cm²以下:届出)、第2種指定地域(6cm²超:届出、家庭用・農業用等は除外)。さいたま市内はさいたま市生活環境の保全に関する条例が適用。
福岡市
申請先
福岡市環境局環境監理部環境保全課(TEL:092-733-5386)
備考・注意事項
福岡市は地下水採取規制の指定地域外のため、揚水施設設置の専用届出制度なし。ただし工事騒音・振動に係る特定建設作業届出は別途必要な場合あり。豊前市・宗像市など一部市町村は独自条例あり(要確認)。
札幌市
根拠法令・条例
- 札幌市生活環境の確保に関する条例
- 水質汚濁防止法
申請先
札幌市環境局環境都市推進部環境対策課(TEL:011-211-2882)
主な必要書類
- ▶地下掘削工事届
- ▶地下水ゆう出量等報告書
備考・注意事項
北海道全体では「北海道公害防止条例」および「北海道水資源の保全に関する条例」があるが、揚水規制は主に市町村条例による。ニセコ町など観光・農業地域では独自の地下水保全条例が厳格。
※ 上記情報は調査時点のものです。法令・条例の改正や担当部署の変更が生じる場合があります。 工事前に必ず各自治体の公式ページまたは担当窓口でご確認ください。