01

Rotary Drilling

深井戸向き一般的高効率

ロータリー工法

回転するビットと泥水循環で地盤を削る、国内で最も広く採用されている標準的な井戸掘削工法です。砂・粘土・軟岩まで幅広い地層に対応し、30m〜100m超の深井戸にも安定した水量を確保できます。

適応深度

30〜100m以上

費用目安

80〜150万円

適した地盤

砂・粘土・軟岩

標準工期

数日〜2週間

0m 掘削対応深度 200m
01 / Mechanism

掘削の仕組み

1

ロータリーテーブルがドリルロッドを毎分数十〜数百回転で回転させ、先端のビット(超硬チップ付き)が地盤を連続的に破砕します。

2

同時に泥水ポンプがロッド内部へ泥水(ベントナイト混合液)を高圧で送り込み、ビット先端から噴出させます。泥水は掘削くずを懸濁して孔壁外側を伝い地表へ戻ります。

3

泥水が孔壁に薄い泥膜を形成することで崩落を防ぎます。これにより深度が深い孔でも壁面が安定し、連続掘削が可能になります。

4

帯水層に到達したら孔内検層で水位・水質を確認し、設計深度に達したらケーシング(鋼管)とスクリーンを挿入してポンプを設置します。

02 / Evaluation

メリット・デメリット

MERIT

掘削速度が速い

連続回転と泥水循環で排土を同時に行うため、他工法より施工スピードが高く、大深度でも工期を圧縮できます。

多様な地盤に対応

砂質土・粘性土・軟岩(泥岩・頁岩など)まで地層を選ばず適用でき、地質が混在する一般的な日本の地盤に最適です。

孔壁が安定している

泥水が孔壁に薄い泥膜を形成するため崩落リスクが低く、100m超の深井戸でも安定した掘進が可能です。

水量の安定確保に有利

帯水層を丁寧に確認しながら掘削できるため、長期にわたって安定した揚水量が得られる深井戸を設計しやすいです。

全国に施工業者が多い

ロータリー工法を扱える業者が最も多く、見積もり比較がしやすく、アフターメンテナンスも受けやすい環境があります。

DEMERIT

設備が大がかりになる

ロータリーテーブル・泥水ポンプ・泥水タンク・ドリルロッドと付属設備が多く、機材の搬入に一定の作業スペースが必要です。

泥水の処理コストが発生

使用済みの泥水(ベントナイト液)は産業廃棄物として適切に処理する必要があり、処分費用と手間がかかります。

非常に硬い岩盤は不得手

花崗岩・安山岩などの極めて硬い岩盤ではビット摩耗が早く、エアハンマー工法やパーカッション工法に軍配が上がります。

狭小地・搬入困難地への適用に制約

大型重機や泥水タンクの設置場所が確保できない狭い敷地や急傾斜地では施工が難しくなります。

03 / Use Cases

向いている状況

生活用・農業用・工業用など用途を問わず安定した水量が必要な深井戸(30m以上)

砂・粘土・軟岩が混在する関東平野・大阪平野などの一般的な堆積地盤

長期利用を前提とした、10年・20年単位で使い続ける本格的な井戸

食品工場・介護施設・病院など水質の安定が重要な業務用井戸

地域の水道事業や大規模農業法人が整備する揚水量の大きな深井戸

施工業者を複数社から相見積もりしたいケース(業者数が最多)

04 / Cost

費用の内訳

掘削工事費(削孔) 45%

地層の硬さ・深度に応じて変動。深度1mあたり1〜3万円が目安。

ケーシング・スクリーン材料費 20%

SUS・塩ビ・鋼管など材質で価格差が大きい。

泥水・処分費 10%

ベントナイト材料費と廃泥水の産廃処理費用。

ポンプ・電気設備 15%

水中ポンプ本体・制御盤・配線工事費。揚水量で仕様が変わる。

調査・検査・諸経費 10%

地質調査・揚水試験・水質検査・許可申請代行費など。

※比率は目安。地盤条件・深度・地域により変動します。

05 / Process

施工の流れ

01

地質調査・工法選定

近隣の地質データ・ボーリング資料をもとに地層構成を把握し、掘削深度・ケーシング径・泥水配合を設計します。

02

重機・設備の搬入

ロータリーテーブル、ドリルロッド、泥水ポンプ、タンク(5〜10m³)を現場に搬入・組み立てます。搬入路と設置スペースの確保が前提です。

03

表層ケーシング設置

地表付近の軟弱層が崩れないよう、まず表層ケーシング(大口径の鋼管)を設置してから本掘削を開始します。

04

ロータリー掘削(泥水循環)

泥水を循環させながら連続回転で掘進します。地層変化のたびに泥水の比重・粘度を調整し、孔壁安定を維持します。

05

帯水層の確認(孔内検層)

電気検層や試掘孔水位の観察で帯水層の位置・深度・予想揚水量を把握します。必要に応じて深度を延長します。

06

ケーシング管・スクリーン設置

孔径に合わせたケーシングを挿入し、帯水層部分にスクリーン(目の細かいフィルター管)を配置してセメンチングで固定します。

07

洗浄・揚水試験

孔内の泥水・スライムを洗浄後、揚水ポンプで試験揚水を行い、実際の水量・水位変化・水質を計測・記録します。

08

ポンプ設置・配管工事

水中ポンプを所定深度に設置し、ヘッダー・配管・電気配線を整備して使用開始。水質検査書を提出して引き渡しとなります。

06 / FAQ

よくある質問

Q ロータリー工法は一般住宅の敷地に設置できますか?
A

最低でも縦横4〜6m程度の平坦なスペースと、重機搬入のための幅3m以上の通路が必要です。住宅密集地でも条件が整えば施工可能ですが、狭い場合は水洗い工法などへの変更を検討します。

Q 泥水は環境に影響しますか?
A

使用するベントナイトは天然鉱物由来で毒性はありませんが、産業廃棄物として適切な処分が必要です。信頼できる業者は許可を持つ処分業者へ適切に委託しており、環境基準を遵守します。

Q 掘削中に岩盤に当たった場合はどうなりますか?
A

軟岩(泥岩・頁岩など)であればロータリー工法で掘進できます。花崗岩などの硬岩に当たった場合、エアハンマー工法との組み合わせ(先行ロータリー+下部エアハンマー)や工法変更を検討することがあります。追加費用が発生する場合があるため、事前の地質調査が重要です。

Q 工事中に近隣へどれくらい影響しますか?
A

騒音(50〜70dB程度)と振動が一定期間発生します。工期は概ね5〜14日間です。近隣への事前挨拶と、騒音の大きい作業を日中に集中させる配慮を業者に依頼するとよいでしょう。

Q 完成後のメンテナンスはどうすれば?
A

ポンプのオイル交換・フィルター点検を年1〜2回、水質検査を年1回(用途によっては法的義務)を目安に実施します。定期メンテナンス契約を施工業者と結ぶのが安心です。

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