クリーニング工場 対象:社長・工場経営者

クリーニング工場・リネンサプライが水道代を削減できる理由——使用量が「桁違い」だから効く

クリーニング工場やリネンサプライ施設の水使用量は一般業種の比ではありません。その規模だからこそ、井戸掘削によるROIが明確に出やすい業種です。

リネンサプライの現場を見学したことがある人は、その水の量に驚きます。ホテルや病院から届いた何百枚というシーツ・タオル・ユニフォームが、巨大な洗濯機で次々と処理されていく。その一台一台に、大量の水が使われています。

クリーニング工場の経営において、水は材料(洗剤・仕上げ剤)と並ぶ主要な製造コストです。そして、業界の中でもこの事実を経営改善の切り口として真剣に取り組んでいる企業と、「そういうものだ」と受け入れている企業の間に、じわじわと差がついてきています。

この業界が抱える「水」の問題

クリーニング工場の水使用量は、業種によって大きく異なります。一般の消費者向けクリーニング店と、ホテル・病院向けのリネンサプライ工場では、規模が桁違いです。

中規模のリネンサプライ工場(1日の処理量2〜3トン)では、1日に50〜100トンの水を消費することがあります。月に換算すれば1,500〜3,000トン。これに対する上水道料金・下水道料金は、月に数十万〜100万円超になるケースが実在します。

原価管理の視点で見ると、水道代は「変動費」ではなく「準固定費」として機能します。受注量に多少の波があっても、洗濯機を稼働させる限り水は一定量流れます。原価率を改善するためには、受注単価の改善か、コストの削減か——どちらも簡単ではない中で、水道代という固定的なコストに着目する価値があります。

課題解決のために検討される選択肢

① 排水リサイクル(廃水回収・再利用)システムの導入 洗濯排水を処理して再利用する閉鎖循環系の設備です。高い節水効果が期待できますが、導入コストが高く、洗剤成分の除去が不完全だと次のロットの洗浄品質に影響するリスクがあります。

② 高効率洗濯機への更新 省水型トンネルウォッシャーや連続洗濯機に更新することで、1回あたりの水使用量を削減できます。ただし、機器更新のコストと工場稼働を止める改修期間が課題です。

③ 洗濯フロセスの最適化 すすぎ回数の見直し・水温管理・洗剤濃度調整などにより、品質を維持しながら水使用量を抑える方法です。改善余地はあるものの、ある程度実施済みの工場では効果が限定的になります。

④ 自家井戸の掘削 地下水を主要な水源として活用する方法です。

井戸掘削を選んだ場合のメリット

クリーニング工場・リネンサプライへの井戸導入は、業種の中でも特にROIが出やすい類型です。理由は単純で、使用量が多いから削減効果の絶対額が大きくなるためです。

月の水道代が100万円の工場が、使用量の80%を井戸水に切り替えられた場合、年間で約960万円のコスト削減が見込めます。井戸の掘削・設備費用が800〜1,200万円とすれば、1年〜1.5年での回収計算になります。

中小クリーニング工場の経営者にとって「年間1,000万円近いコスト削減」は、設備投資の優先度を変えるに値する数字です。

また、地下水は温度が一定(年中15度前後)であるため、夏場でも冷水を安定供給できるという副次的なメリットもあります。洗濯工程によっては水温管理が重要で、一定温度の原水は品質安定にも寄与します。

知っておくべきデメリットと、その向き合い方

硬水は洗浄品質と洗剤コストに影響する 地下水はカルシウム・マグネシウムを多く含む「硬水」であることが多く、硬水は洗剤の泡立ちを悪化させ、洗浄力が低下することがあります。また、洗濯機内に水垢(スケール)が付着しやすくなります。

対策: 軟水化装置(イオン交換樹脂式)を組み合わせることで硬水を軟水に処理できます。導入コストはかかりますが、洗剤使用量の削減効果もあり、総コストで評価することが重要です。

設備故障時の生産停止リスク 井戸ポンプや関連設備が故障した場合、一時的に取水できなくなります。

対策: 上水道との二系統切替バルブを設置し、緊急時には上水道に切り替えられる構成にします。生産停止よりコストがかかっても、バックアップを持つ価値があります。

水質の定期検査と管理 工業用途の井戸水も、定期的な水質検査が必要です。

対策: 年2回程度の水質検査をルーティン化します。専門の水処理業者と保守契約を結ぶことで、異常の早期発見・対応が可能です。


水道代は、経営改善の中でも「投資が結果に直結しやすい」テーマです。まず現地の地質と水量ポテンシャルを確認し、リターンの試算を行った上で判断することをお勧めします。

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