コインランドリー 対象:オーナー・フランチャイズ経営者

コインランドリー経営者が水道代に苦しむ理由と、井戸という逆転の一手

コインランドリーの経費の3〜4割を占める水道代。24時間稼働のビジネスモデルと水コストの構造的な関係を整理し、井戸掘削という選択肢の現実を伝えます。

コインランドリーは「水を売るビジネス」とも言えます。洗濯機を動かすたびに水が流れ、乾燥機を回すたびに水が蒸発します。店が開いている間——つまり24時間——この流れは止まりません。

開業前に収支計画を立てたとき、多くのオーナーが「もう少し水道代が安ければ」と感じたはずです。その感覚は正しく、コインランドリー経営において水道代は避けては通れない構造的な問題です。

この業界が抱える「水」の問題

コインランドリーの収支を見ると、売上に対する水道・光熱費の比率が30〜40%に達することがあります。家賃・人件費(無人店舗では低い)・機器リース代と並ぶ主要コストとして、水道代は経営の重石になっています。

具体的な数字で見ると、洗濯機1台の1回あたりの水使用量はおよそ50〜100リットル。10台規模の店舗が1日100回転すると、1日あたり5,000〜10,000リットルの水を消費します。月に換算すれば150〜300トン。大型店舗になるとさらに増えます。

この水量に対して、上水道料金は大口でも1立方メートル(1,000リットル)あたり数百円程度かかります。下水道料金まで含めると、月の水道代が20〜50万円に達する店舗も珍しくありません。

結果として、「洗濯し放題プラン」や「会員向け割引」といった集客施策が水道代を理由に打てない、という状況が生まれます。値下げもできない、差別化もしにくい——競争の激しい立地では特に、このコスト構造が経営を縛ります。

課題解決のために検討される選択肢

① 節水型洗濯機への入れ替え 最新モデルは旧型比で20〜30%の節水効果があります。ただし、機器代が高く、削減できる絶対量には限界があります。既存店舗では設備入れ替えのタイミングも問題になります。

② 排水リサイクル装置の導入 洗濯後の水を処理して再利用するシステムです。一定の効果はありますが、洗剤成分の除去コストや装置のメンテナンス負担が課題です。食器洗いのような清潔基準が求められる用途には使いにくい面もあります。

③ 料金体系の見直し 水コストを価格に転嫁する方法ですが、価格競争が進む市場では難しい判断です。

④ 井戸の掘削 自前の水源を持ち、取水コストを大幅に下げる方法です。

井戸掘削を選んだ場合のメリット

コインランドリーへの井戸導入は、ROI(投資回収)が計算しやすいのが特徴です。

たとえば月の水道代が40万円の店舗が、使用水量の大半を井戸水で賄えるようになった場合、年間では約350万円のコスト削減が見込めます。井戸の掘削・設備費用が500〜700万円とすれば、2年以内での回収も現実的な範囲です。

コスト削減によって生まれた余裕は、直接的な利益改善だけでなく、「洗濯し放題プラン」「ポイント還元」など競合との差別化施策に回せます。水道代がボトルネックだった施策が実行できるようになることで、売上自体を伸ばす可能性もあります。

複数店舗を展開するフランチャイズオーナーにとっては、1店舗での成功モデルを他店舗に展開することで、さらに大きな効果を生み出せます。

知っておくべきデメリットと、その向き合い方

下水道料金は残る場合が多い 多くの自治体では、排水量(≒使用水量)に対して下水道料金を課します。井戸水に切り替えても、排水は発生するため、下水道料金がゼロになるわけではありません。

対策: 削減効果の大きい「上水道の取水コスト」部分は大幅に下がります。地域によっては下水道料金の計算方法が異なるため、事前に自治体に確認しておくことが重要です。

掘削できない立地もある 地盤・地質・既存の水道インフラの状況によっては、十分な水量が確保できないケースがあります。

対策: 掘削前に地質ボーリング調査や近隣の掘削実績を調べることで、見通しを立てられます。「掘れるかどうか」を事前に確認することがリスク管理の第一歩です。

初期投資の資金調達 500〜700万円の初期費用は、単独店舗のオーナーには重い出費です。

対策: 設備投資として融資を活用する方法があります。コスト削減効果が明確なため、事業計画に組み込んだ上で金融機関への説明材料として使えます。


水道代という固定費に正面から向き合うことは、コインランドリー経営の競争力を根本から変える可能性を持っています。まずは「この立地で掘れるか」の確認から始めてみてください。

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